Iの漂流戦士





『あなたは……隼人君の父親でしょう?三日も姿を消していた息子さんが心配じゃないんですか?もしもの事があったらどうする気ですか?』


正義の言葉に新造はフンッと鼻で笑った


『星野さん、あんた独身でしょ?子供の居ないあなたに父親の気持ちなんて分かりませんよ』


そう言ってタバコに火を付け、フーッと煙を吐いた

そしてさらに話しを続ける


『母親っていうのは家事をしながら子供も育てる。父親っていうのは外で働き、金を稼ぐのが仕事なんですよ。
俺は仕事もしてるし、隼人に飯も食わせてる。あなたに怒鳴られる理由は何一つない』


“だから帰れ”

そう言わんばかりに、正義を再び睨み付けた


正座は『でも……』と必死に声を出すが、これ以上何も出てこなかった



確かに虐待や育児放棄の場合は証拠さえ掴めれば打つ手はある


しかし今回のように子供が自ら家を出て、

街を漂流しているケースの解決法は家族との話し合い


第三者が中間に入り、子供の気持ちを代弁する

でも、それだけだ


正義に出来る事はたったのそれだけ


“父親の仕事はちゃんとしている”

そう主張されてしまったら、“後日また伺います”と言うしかない


……そう言うしかないのだ

…………………