ナノハはゆっくりと一馬の言う事に従い、正義から離れていった
スタスタ……スタスタ……と二人が歩き出す
『ま…待って!!』
正義が慌てて引き止める
それに反応したのはナノハだった
『綺麗なお花咲くといいね』
ニコリと能天気な顔で笑うナノハを横目で一馬がチラッと見る
再び歩き出すナノハと一馬を見つめながら、正義がもう一度声を張った
『君達は…………
また人を殺すの?』
その言葉に反応したのは一馬だ
『………はい。それが僕達の存在意味ですから』
低いトーンで返す一馬を見て、正義の拳は固く握られていた
『……どうして………
なんで君たちが……』
声を絞り出した正義に対して、
一馬が冷静に答えた
『…………ここで全てを話しても、あなたはまだ受け入れられない。僕達にもあなたにもまだ時間が必要だと思います。』
そう言い残して一馬とナノハは正義から離れて行った
(………………時間が必要……)
自分に言い聞かせるように繰り返した
確かに正義の心は全てを受け入れられる準備がまだ出来ていないのかもしれない
“君が殺人鬼になった理由は何?”
そうナノハに聞いたのは自分なのに、なぜだか心臓が壊れてしまう程激しく鼓動していた
もしあの時一馬が来なかったら……
きっとナノハは答えていただろう
その答えを聞いた正義は果たして受け入れられる事が出来たのだろうか
今までただ真実を知りたいと思う気持ちだけが先走っていた正義は、この瞬間から気持ちを入れ換えた
どんな真実が、どんな結末が待っていようと自分は最後まで見届けると
その為にはやっぱり……
まだ会った事のない“あの人物”に会う必要があった



