一馬は高木功がナノハに好意を寄せている事に前々から気付いていた
勿論、それを誰かに言う訳でもなくただ胸の中で
“功さんがナノハさんをね”と思う程度で、一馬にとっては全く興味がない事だった
一馬の目から見れば、高木功がナノハを好きな事はバレバレの事
それを隠そうとしてる高木功の行動もバレバレだった
特に修には気付かれないようにしているみたいで、修が居る時にはあまりナノハに近寄らない
だから修はてっきり高木功の気持ちに気付いていないんだと思っていた
『俺あいつの兄貴だからね。それに功は昔から隠し事だけは下手なんだよ』
修が苦笑いを浮かべながら呟いた
『それなら修さんは隠し事をするのが上手いですね。てっきり気付いていないんだと思っていました。功さんもきっとバレてないと思ってますよ』
一馬が感心しつつ、再びパソコンに目を通した
修はふんっと鼻で笑い、話しを元に戻す
『それで……迎えに……』
『嫌です』
一馬が言葉に覆い被さるようにそれを拒否した
修ははぁ…とため息を漏らす
『さすがに今日は功とは会えねーよ。あいつを怒らせたままだし』
一馬は“確かに”と思いながらも腰を上げようとはしない
『それに………』と修が景色に目を向けると、それと同時に空が茜色になった
『それに……やっぱり功をこっち側の人間にしたくないんだよ』
オレンジ色の夕日が切ない顔の修をとらえていた



