【殿町大通り前】
沢山の車が行き交う大通りは別名イチョウ通りとも呼ばれている
その名の通り、道路の両脇にイチョウの木が植えてあった事からその名が付いた
しかし今はイチョウの木が生えていた場所は雑草が生い茂り、
イチョウ通りというその名だけが残っている状態
高木功が去った後、正義はナノハに問いかける
『あのさ…良かったら一緒に来ない?』
そう言いながら手に持っている種の袋をシャカシャカ鳴らした
殿フラワーロードの来客プレゼントに便乗して、ちゃっかり花の種を貰っていた
正義が事前に指定されていた場所はこのイチョウ通り
本当はナノハに色々聞きたい正義だが、これ以上遅れを取る訳にいかない
『実は花の種を……』
キョトンとしているナノハに対して話しを続けるが、言い終わる前にナノハは『行く』と小さな声で答えた
(もしかしたら花が好きなのかな……?)
数十メートルあるイチョウ通りには正義の他に数人来る予定になっていた
正義は歩きながら自分の上着を脱ぎナノハに渡した
『それ首までチャックが閉まるから念のため着ておいた方がいいかも』
正義が渡したのはナイロン素材のジャージ。チャックを完全に上まで上げれば首がすっぽりと隠せる
ナノハはそっとそれを受け取り、セーラー服の上から羽織った
『………ありがとう』
そう言ってニコリと笑った
それを見た瞬間、正義の心がチクンと傷んだ
それと同時に沸き上がってくる想い
(どうしてこの子が殺人鬼なんだ……)



