歩き進めて行くとやっと人混みもまばらになり始めた。それと同時に高木功の気持ちが一気に引き締まる
人が溢れている時は皆、自分の事で精一杯だが人気(ひとけ)がなくなると視野が広くなる
現に制服姿の二人に注目する人達の姿が目に入っていた
ただでさえ休日に制服を着ている二人は目立つのに、ナノハの首には02のナンバーが書いてある
それを隠す事がないナノハの代わりに高木功が周りを警戒していた
髪の長いナノハにとって案外首は目立たない場所なのだが、万が一という事がある
もしチラッとでもテレビカメラに映り、目撃されてしまったらただ事では済まない
それを修は分かっていたからこの場所に来る事を反対したのだ
勿論高木功だって重々承知の上
だけど、守れると思っていた
白い仮面も大きな鎌もないただの人間だけど
殺人鬼であるナノハを守ってあげれると思っていた
----とその時、トントンと背後から高木功の肩を叩く人が
高木功はこれでも一応有名人
漂流戦士の雑誌取材などで、顔が載った事もあるし街中で声を掛けられる事も多々あった
しかし最も声を掛けられたくない人物に声を掛けられてしまった