Iの漂流戦士






『功さん、僕に報告する事はないですか?』


一馬は相変わらずパソコンをいじりながら高木功に問いかける


『ないよ』

即答でわざとらしい笑顔を見せた


『そうですか。じゃぁ、今度から管理人室に出入りする時は報告してからやって下さい』

高木功の眉毛がピクッと動いた


一馬がこんな風に刺々しく発言するのは珍しい

よっぽど今までの不満が溜まっていたのだろう


『肝に命じとくよ』


まるで反省していない高木功を見てまた一馬の不満が溜まった



管理人ページに誰かが入ったなんて表面上を見れば全く気付かない

でも掲示板の書き込みを常にチェックしている一馬の目は誤魔化せない


“緑丘で起こる殺人はどこで起きるのですか?”


住人達とは違う雰囲気の書き込み

次に不審に思うバッシングの書き込みがあった後
、ガラリと変わる住人達の態度


その住人達の態度が変わるきっかけになった書き込みはもう跡形もない


そんな事が出来るのは一馬以外高木功しか居なかった

そして一馬にはもう一つ分かった事がある


“緑丘で起こる殺人はどこで起きるのですか?”


その書き込みをした人間が正義だという事


書き込みをすると自動的に個人情報が配信されるセキュリティだった


勿論それは悪用する為ではなく掲示板を見ている人間を把握する為


高木功が何を正義に向けて書き込んだかは分からない。でも大体予想はついている


誰かが緑丘中学旧校舎と正義に教えない限り、あの場にたどり着く事は不可能なのだから