志乃さんには私の心の動きが分かったのだろうか? 彼女はハァ~ッと長い息を吐くと、 「つまらない意地を張るのもいい加減にしなさい。 意地やプライドなんて言葉は一流になってから使うものよ。 あなた全然分かってないわね。 明日も来なくていいから、学校にでも行って頭を冷やすのね」 と言い残し、その場を後にした。 分かってない。 いったい私は何を分かっていないんだろう? 志乃さんの言葉が耳の奥でこだましていた。