「次のバスは…えと、今は17時ちょうどだから…………え、ウソ……ねぇじゃんっ?!」


最終が16時50分て……ありえない。


が、


「遅れてくるかも……」


僅かな希望に全てを賭けた。


そこから20分経過……


「……こねぇ……」


小さな希望は無惨に砕け散った。これはもう腹を括るしかない。


「歩こう……」


しかし、先程バスを待った時間はあまりにも大きなロスとなり、辺りは次第と闇夜に包まれつつあった。


これはヤバい。急がなければ……。


「オバケ出る……絶っ対オバケ出る!」


見た事もないくせに……正直、出現するかどうか解らない鎌オヤジなんてどうでもよかった。


チャリンコですら早く漕いでも20分かかるんだ。歩いて行ったら一体どれだけかかるだろう。


そう思うと、足は自然と早歩きになっていた。