全く、あの先輩どんな神経してんだ。


ただ怖がらせようとしてるだけに違いない。


ま、行きは自転車だし、帰りはバスだし、大丈夫だろ。


俺はそうタカを括って、再びペダルを漕ぎ出した。


「いやぁ……こうして通学路を見てみると……」


農業地帯だけあって墓地や寺、社なんかが沢山ある。


これは明るい内に帰りたいもんだ。


やはり朝と同様、20分程で駅前の貸し自転車屋に着いた。


「おばちゃ〜ん!」


返事がない。いないのか?ホント、テキトーなおばちゃんだ。


「そーいや、ノートに返却サイン欄なんてあったな。」


そう言ってノートを見てみると……やはりあった。


「よし、名前書いて……これでいいだろ?」


俺はその場を立ち去り、走ってバス停に向かった。