「それでは昼食の時間まで30分間、自室での待機になります。放送が流れるまで部屋から出ないように」


そういえば、俺の部屋は二人部屋。相手は誰なんだろう……。


ここの寮は家が遠い人なんかが三年間寮暮しという事も可能らしいが、先輩と半年も暮らすのは嫌だ。


「着いた着いた……210号室」

「お?おぉ?由、お前もしかして210号?!」


「お?タクヤ、お前もか?!」


「そうだよ!良かったぁ……先輩とかだったらどうしようかと思った!」


「だよな!俺もタクヤと一緒なら安心だ!」


本当に良かった。タメの奴が同室で、しかもそいつがタクヤで……これ以上ない幸運だ。


後で聞いた話だが、俺の部屋と209号以外は全て先輩と同室になったらしい。


しかし、その話には裏があり、俺達二人と209号の連中は世にも恐ろしい体験をする事となる。