君に届ける最後の手紙

一教科目は数学。俺の一番苦手な教科だ。


「むむぅ……う〜ん……あぁ、これは昨日の……ふぅ。なんだ、意外と出来たな」


その後の理、国、社もなかなか良く出来た。問題は最後の教科、英語だ。


「ん〜……ん?解る……解るぞ!」


なんだかわからないが、これも七割方ぐらいは理解して解けた。


「う〜ん……どうした?俺」


「おっ!由、どうだった?」


「まぁ、思ったより出来た。なんとか250点は取れたんじゃねーかなって感じ」

「250?!すげぇな!余裕じゃん」


「余裕でもないよ。ボーダーラインぎりぎりだし」


「ギリギリ?ボーダーラインより100点も高いじゃん」


「はい?どゆこと?」


「いや、だからここは150点取れりゃいいとこなんだぞ?」


「あ、そうなんだ……」


俺は急いで自宅に電話をかけた。


「あ、俺だけど。アサミまだいる?……うん……じゃ代わって」


「はは〜い。アサミちゃんだよぅ」


「んとさ……騙した?」


「何がぁ?」


「250点って」


「あぁ!うまく行ったでしょ?目標は高くした方が本番楽になるからね!」


「あ……そう」


昔言った"番組司会者になれ"ってのは全面撤回しよう。塾講師か詐欺師になれ。