……しかし家を出たものの、一時間目は数学。何とか避けたい所だ。


「ん〜、公園で昼寝だな」


俺は学校をサボるとなると、いつも登校途中にある公園で暇つぶしをする。


「はぁ、やっぱここの公園はいいなぁ」


生い茂る木々、爽やかな陽射し、子供達の笑い声。


俺は普段、冷めた奴と思われ勝ちだが、こういった景色が好きだったりする。


ベンチに横たわり、流れる雲を見ていると、ここ最近の母親の言葉が思い出される。


いつか本当に、俺とアサミが付き合う事なんてあるんだろうか。


手を繋いだり……くっついたり……キスをしたり……。


「……あの……由君?」


「ん……?うわっ!アサミさん!何してんの?!」


「何してんのって、それは由君でしょ。なんかね、由君この公園にいるから行って来てってアサミちゃんに言われたの。私一応学級委員だし……」


「くっ……アサミのヤロー……で、俺を迎えに?」


「うん。でも、いい公園だね……。私の家、反対方向だから気付かなかったよ。いつもここで何してるの?」


「何って……ボーッとしてみたり寝てみたり。あとホラ、向かいにある小児科。昔あそこによく世話ンなってて、昼になると院長がここで弁当食べるんだ。それで話なんかしてみたり。そんな感じかな」


「ふ〜ん。由君って意外とほのぼのとした感じだね。……いいよ!すごくいいと思う!由君みたいな人、私好きだな……。んじゃそろそろ学校に行こう!」


「!!!!!!!!!!」


アサミさんの口からとんでもない言葉が聞こえた。ユウクンミタイナヒト……スキ………ユウクン………スキ………。


頭が真っ白……と言うより半ば意識不明な状態で学校に連れて行かれた。