悲しそうな顔をする母を尻目に、俺は自分の部屋へと上がる。


「ふぅ……もう四十九日か。ゲンキ、行くのかな?」


携帯を手に取り、ゲンキに電話を掛ける。


トゥルルルルル……トゥルルルルル……


『ハイハ〜イ』


「あ、もしもし?」


『……発信音の後にメッセージを……』


留守電だ。


「んだよ、ちくしょう……」


ハッキリ言って、明日四十九日に行くかどうかは二の次だった。


……話がしたかった。


アサミが亡くなって数週間は、同じ中学の連中で集まったりして、ある程度寂しさは紛れていたが、数週間が過ぎた頃から、話題にすら出なくなってくる。