――翌日。四月二十一日。


俺は珍しくその日、朝から真面目に授業を受けていた。


「由!」


今日は四時間目の授業を受けた後、学校を抜け出すつもりでいたのだが、聞き覚えのある声が俺を呼び止める。


「ん?……おう、アイ」


実はアイと別れて一年経った今、周囲の計らいもあって、以外と良い関係を築いていた。


……もちろん、友人として……だ。


「とうとう行くのね?」


「あぁ、別にそんな大それた事じゃないけどな」


アイは、俺が今日何をしようとしているか知っている。


まぁ聞く人によって、これを"酷だ"と言うのかも知れないが、彼女の性格上そうでもないらしい。


「ま、失敗したらいつでも戻ってらっしゃい!」


とまぁ、こんな調子でカラッとしている。


「いや、失敗するとかそんなんじゃないから」


「ハハッ!そうだね!まっ、頑張って来なさい!」


「あいよ」


じゃ……行くか。