「お待ちどうさん」


今日は肉じゃがを作ってみた。


アサミはものすごく意外そうな目で俺を見る。


「へぇ……おいしい!でも由ちゃん一人で作ったら……どうなんですか?」


「多分もっとおいしいわね。この子ちっちゃい時から御飯作ってくれてたから」


「そっか……お父さん由ちゃんが小さい時に……ごめんなさい……」


「あぁ、いいよ。俺ほとんど覚えてないし」


俺がそう言うと、皆言葉を詰まらせた。


「いいから早く食えよ。冷めるだろ。食ったらアサミが一番風呂な。一応客だし」


食事を済ませ、アサミが風呂に入ると、母親が楽しげに話し始めた。


「ちょっと!アンタ、アサミちゃんとどうなってんの?」


「どうもなんないって!あんなガサツな奴と付き合うわけないだろ!」


「そう?アサミちゃんが一番な気がするけどねぇ……」

「んなわけないだろ!俺、上で勉強してくる」