君に届ける最後の手紙

「由……」


アイは込み上げる涙を堪え、必死に言葉を搾り出す。


「なんか、間違ってるよね?……私」


それを聞いて俺は首を振る。アイが嫌がるのは解っていたし、元々最初に選択を迫ったのは俺。


責める事は出来ない。


が、


「俺の方こそごめん」


なんて、思わせ振りで無責任。かつ気の利いた言葉を掛けてあげる事は出来なかった。


変な期待をさせておいて、万が一元の鞘に戻っても、きっと同じ様な別れを繰り返すだけだから。


「じゃ……また学校でね!気まずくなるのだけは止してよ?!」


「……だな」


アイがそう言ってくれると俺も嬉しい。別に嫌いになって別れる訳ではないのだから、良い理解者として、ずっと仲良くして行けたらと心から思う。


「また学校でな」