君に届ける最後の手紙

「アイちゃん、なんか無理してない?」


女の勘というものは、何故無駄に鋭いのだろう。



「そんな事ないですよぉ?」


「由、アンタ何かしたんでしょ?!」


ここまで鋭いか……。


「何もないって……なぁ?アイ」


「うん……」


やはり目は合わせてくれない。


「ふ〜ん……」


母が右眉を上げ、俺を見る。そりゃそうだ。アイの、母と俺に対する反応の温度差を見れば一目瞭然。「何かありました」と言ってる様なものだ。


夕食を済ませ、その場の雰囲気に堪えられなくなった俺は、アイの手を引いて二階へ上がる。