君に届ける最後の手紙

言うまでもないが、俺はさっきの声の主を知っている。


ニヤリ……


俺は不敵な笑みを浮かべると、クマの首から手を突っ込んだ。


「コショコショコショ!」


そんな事をすれば当然反撃が来る。


ズドンッ!


「ぐはぁ……!」


クマのボディーブローが見事に決まった。


ダメだ。俺は完全にキレた。


「あぁ!痛ぇ痛ぇ!このクマに殴られたぁ!!!」


流石に焦ったのか、クマ……アサミは俺の口をふさぐ。


「さて……キミの番号を教えてもらおうか。アサミクン」


「……090の……」


チッ、携帯か……クマ風情が小生意気に。


恐喝紛いではあったが、まぁ何はともあれ、アサミとの連絡手段を確保出来た訳だ。