君に届ける最後の手紙

そこからは、来た道をUターン。


どこにも寄り道をせずに家へと戻った。


すると、家から大荷物を持ったアサミが出て来た。


「アサミ……」


「あ、由ちゃんお帰り〜」


「いや、お帰り〜……じゃね〜よ。どした?」


「あ、由ちゃんにはまだ言ってなかったね!ウチ、引っ越したんだ!」


「え……引っ越したってどこに?」


「アタシが通う高校のすぐ近くだよ」


あまりに突然の事で、俺も流石に驚いた。


アサミの高校って……遠いな……。


「たまには遊びに来るんだろ?」


今まで当たり前だった事を、確かめる様に聞く。


でも、それがもう当たり前の事ではなくなってしまったんだ。