アイが吹き出したのを確認すると、母親が誇らしげに寄ってくる。


「いらっしゃい!……あらぁ、可愛いじゃない!」


「クックックッ!……あ、失礼しました。私、由君とお付き合いさせて頂いて……」


「アイちゃんでしょ?アサミちゃんから聞いたわ!そんなに改まらないでいいのよ!」


やっぱり母親の反応はこんな感じか。思った通りだ。


「早くあがりなさい。みんなでおやつでも食べましょ!」


「アイ、上がっていいよ」


彼女は完全に拍子抜けした様子で、口をポカンと開いている。


「おんぶしてやろうか?」



「自分で歩けるよ。全く……覚えてなさいよぉ?!」