「……由、お母さんは?」


そうだった。アイにとって本番はこれから。


「わりぃけどアサミ、母さん呼んで来て」


「……?わかったぁ……???」


一気に顔が強張るアイを見て、アサミは不思議そうな顔をする。


アサミが呼びに行くと、程なくして母親が来た。


……と言うか、柱の陰からチラ見してる。


ジィ〜〜……。


そんな母親を見て、アイは今にも吹き出しそうな顔をしてる。


いつまで堪えられるか楽しみだ。


まだ堪える……


まだまだ堪える……


「ぶふっ……ぶふふふふ!」


どうやらアイの根負け。


我慢の甲斐なく、吹き出してしまった。