「そんな先のことかよっ」


玲央は声に出して笑う。



しまった。



今は6月。まだ、少し肌寒い日もあるのに、あたしってば海に行きたいとか気が早過ぎたな。



でも、それでも玲央と一緒に行ける約束が出来るのは嬉しいから。



「優芽〜」



千穂があたしの席のほうに見を乗り出して来た。



「どうしたの?千穂」



「もうすぐで着くよ」



嬉しそうに窓を見る千穂にあたしも窓を見てみる。



「ホントだぁ〜」



遊園地の観覧車が見えてくると、早く乗りたくてうずうずする。