「あ、あたしなら大丈夫だよ。もう微熱だしっ」


「ダメよ。お母さん、優芽が小さいときも仕事ばかりだったから優芽を悲しませたわよね…」


お母さん…


小さいときはお母さんもお父さんも仕事していたから寂しかったときもあるけど


生意気だけど、蓮もいたし

今、思えば、蓮がいたから寂しくなかったんだよね――…



確かに、だれかに甘えることが苦手になっちゃったんだ。



だから、風邪のときは誰かがそばにいないと寂しいくなるのかな……




「ゆっくり寝ていなさいね」


そう言って、お母さんはあたしの部屋を出た。