「はぁ──…はぁ──…っ」 あたしは、上がる息を整えながら、玲央を見つめる。 お願い──… 抜かしてっ 最後の1人。 あと、1人───… ───… ──────…… 「優芽、お疲れ様っ」 「千穂………、ごめんね」 千穂が呆然としているあたしの横に賭け寄り、笑顔を見せてくる。 「何言ってんの!1位になったでしょっ!優芽は頑張ったよっ」 「ありがとう……千穂」 あたしたちのクラスは、玲央のおかげで1位になれた。 だけど、それでも…… 「ごめんっ、ちょっと、トイレに行ってくるっ」