「玲央っ」 滴が垂れているオレにタオルを渡してきた。 「サンキュ」 そのタオルで顔をふいて、相手の顔を確かめる。 その相手は……… 「なんだ、千穂か」 「なんだってどういうこと!」 「どうして、おまえがここにいるんだよ」 千穂がこんなところに来るなんて、思わなかった。 千穂がいるなら優芽も…… って思ったけど、隣に優芽の姿はない。 「玲央が練習に集中出来ないみたいだから、なんか悩み事があるんでしょ、相談に乗ってあげてもいいよ」