「うん、大丈夫」 だけど、あたしは強がってみせた。 「……大丈夫じゃねーだろ、ここ出るぞ」 あたしの腕を引っ張り、着いたのは、人通りが少ない路地。 「ここなら、大丈夫だろ」 孝太くんは、あたしの顔を覗き込んできた。 「優芽は、玲央が好き……だろ?」 「ううん…、違う」 嘘…… 好きじゃないなんて、 嘘だよ 本当は、好き……なの 玲央が大好き。 だけど、頭だけでも 玲央のことを嫌いって思わないと、つらい。