「よく出来ました。」 にっこり笑っている顔をぼうっと見つめてしまいました。 今の… …私に触れたのって、唇? その意味を理解すると同時に頭でボンッと血が沸騰しました。 震える指で私の口を押さえ、グルグルする頭で考えようとしますが何を考えればいいのかすらわかりません。 「…か、帰ります。」 かろうじてそれだけ言うと、鞄を持って図書室を逃げ出しました。