「いい加減古くからの知り合いなんですぅ。なんてわざとらしい言い訳やめてさっさと交際宣言しちゃえばいいのにね。あの二人。」
冷めた声に心臓をギュッと掴まれたかのような気がしました。
やはりみんなにもそう見えるんでしょうか?
あの二人にある、特別な空気。
あの時わき目も振らずに瑠奈さんを追いかけて行った必死な後姿…。
「でもさ、カイさんこれからテレビとか売り出しだから、いまからそういう話題はまずいんじゃない?これからもっと大女優に迫られるかもしれないし。えり好みできる余地は残しておくほうが賢明だし。」
「なるほど、じゃあ付き合ってるだけでもスキャンダルかもねぇ。私も探ってみようかな?うまくいけばおいしい仕事もらえるかもしれないし。」
「あはは、にらまれたらお終いだよ。うまくやんなよ。」
「なんかわかったら、教えてよ。協力するからさ。」
無責任なことを口々に言い合いながら、行ってしまいました。

