拓海はちょっと意地悪な、でもすごく楽しそうな顔をして笑っていて、学校での真面目な顔ともカイの甘い顔とも違う…素顔を切り取った写真でした。
そして私は…。
「…これ、です…か。」
「そう。どう?久しぶりにどうしても撮っておかなくちゃいけないって思ったんだ。」
それは…その写真の中の私は、今まで自分でも見たことのない顔でした。
はにかんでいるような甘えているような笑顔は、全部で拓海を信頼していると叫んでいるようでした。
「………うぅ、あの…ありがとうございます。」
何とかつかえながらお礼を言う私に、リチャードさんはクスクス笑いながら、
「今はまだ、そうかもね。でも、その思いごと大切にしてほしいんだ。」
そういいながらもう一枚、今度は普通サイズの写真を上にのせました。

