メガネ男子は俺様王子さま


「いえ、違うんです。カイのせいじゃないんです。何だかいきなり…」


「そうだよ。そもそもお前らのしたことを話してたんだぞ。悪意はねぇって説明してたんだ。」




拓海の反論にその通りと隣で頷いていると、お姉様方は一斉に突進してきて

「ごめんなさいね。本当に美羽ちゃんを騙そうとか笑い者にしようとか思った訳じゃなかったのよ~。」


「泣かないで~。悪かったから、許して?私達も切羽詰まってたのよ~。最後の手段だったのに、だめだったの~」



口々に謝られ涙ながらに訴えられて、かえって目を白黒させてしまいました。慰められているのか、慰めるべきなのか…。




「ほらほら、みんな一緒に言ったら訳がわからないぞ。美羽ちゃん、大丈夫?涙は止まったみたい?」



リチャードさんがお姉様方からひきはがして救出してくれました。ちなみに拓海はお姉様方の突撃に弾き飛ばされていて、拗ねていました。




でも、びっくりしたお陰で涙は引っ込んでしまったみたいです。



そんな様子を見て、リチャードさんは優しい目で笑うと「ちょっといいかな。渡したい物があるんだ。」と別室に連れ出してくれました。