すると途端にお姉様方はリチャードさんに向かって何やら詰め寄り始めました。
いきなり蚊帳の外に放り出された私がオロオロしていると、拓海が後ろから肩を軽く叩いて元の部屋に促されました。
「大丈夫なんでしょうか?」
台所を心配しながら尋ねると、拓海は苦笑しながら
「美羽、黙っててごめんな。怒っていいんだぜ。」
と、拓海まで謝り始めました。それもかなり真剣に。
「いえ、何だかよくわかりませんが、皆さん必死みたいで。悪気がないのはわかりましたから。」
「ホントごめんな。俺あいつら止めなかったし。」
まだ台所からは一方的にお姉様方の声が聞こえてきます。が、一向にトーンダウンしないところをみると、あまりお姉様方の抗議は効果がないみたいです。
事情がわからず、つい拓海に視線で問い掛けてみると苦笑されてしまいました。
「まぁ、無理だろうなぁ…」

