「ま、お陰でこんなあり得ない条件のんでくれるんだから、何とか無事に卒業しなきゃね。」



口調は茶化しながらですが意外と真剣な眼をして、ドキッとしました。




「あ、やべ。そろそろ安斎が来る時間だ。」


拓海がふと時計を見てあわてて言うので、


「じゃあ…」



さよならしようと一歩下がったところ、手を力一杯引かれて


「あの…ちょっと」

一緒に荷物のある図書室まで走ることになりました。


「これからしばらくは、カイのモデルの仕事の時一緒に来てもらうから。」



息切れしている私に当然のように告げ、二人分の荷物を片手で軽々と持つと、また強く手を掴まれて安斎さんの待つ車まで引っ張って行かれました。