「あの~、金ちゃんって…」
「あぁ、君たちの社長の本名だよ。ククッ…。名字が遠山だろ?で名前が…なんと金太郎!名前だけでもインパクトあるのに、名字と合わせると…」
「あ、遠山の金さん!」
す、凄いセンスです…。親の趣味ですか?
「正解!お祖父ちゃんがさ、金太郎のように強く元気にってつけたんだ。小さい頃よくいじめたなぁ…。顔と名前のギャップが強烈で。ちなみに私の名前は充です。お祖父ちゃんには命名されなかったので、普通の名前。」
にっこりと微笑みながら、軽く社長さんをいじめた過去を話す理事長さん、ちょっと怖いです。
「おい、社長の前で本名は禁句だぞ。名前なら、芸名のヒカルで。他のモデルは本名知らないから、黙っとけよ。」
「はい…。」
拓海に念を押されなくても、怖くて言えません。あの社長さんの地雷を発見してしまいました。
「じゃ、ともかく依頼の件は了解ということで。なるべくうまくやってくれ。」
「あぁ、よろしく。」
「よろしくお願いします。お邪魔しました。」
挨拶をして理事長室を後にしました。軽く衝撃の訪問でした。

