「本当に…いい顔をするようになったね。安心したよ。金ちゃんに連れられて来たときとは大違いだ。何があったのかな?」
「さあね…いい事があったんでしょうね。」
理事長さんに優しく問われて、拓海はぶっきらぼうに答えていました。
…ふーん。拓海ってどんな感じだったのでしょうか?
興味がわいて想像力を駆使して拓海の顔を眺めましたが、よくわかりません。凝視する私に「ジロジロ見るんじゃねぇ!」と怒られてしまい、更に理事長さんにも笑われてしまいました。朗らかな方ですね。あるいは、笑い上戸…。
「で、金ちゃんは元気?ちっとも家に寄りつかないって叔母さんも怒ってたって伝えといてよ。」

