「ははは…。残念ながらはずれ。」
「…ですよね。すみません。あの、2年の諏訪です。」
目の前に座っているのは、見れば見るほど社長さんにそっくりな…多分理事長さん?
あからさまに上から下まで眺めてしまったからか、苦笑しながら理事長さんは自己紹介してくれました。
「はじめまして。理事長の遠山です。ちなみに君達の言う社長の遠山とは、従兄弟になります。よろしく。」
「よろしくお願いします。顔はそっくりですけど、話すと全然違いますね。驚きました。」
その柔らかい口調と優しい内容にやっと社長さんとは違うことに納得しました。それにしてもそっくりです。
「どう違うんだ?」
今まで横で事の顛末をニヤニヤ眺めていた拓海が急に聞いてきたので、思わず
「えっ?優しくてきちんと他人の話を聞くところです。もちろん。」
自信満々に答えてしまいました。途端に理事長さんと拓海が盛大に吹き出しました。

