コンコン!「失礼します。」
いきなりですか?それにしても理事長室ってこんなところにあったんですね。
そういえばよく式典の挨拶などで校長先生は見かけますが、理事長先生ってどんな人でしょうか?見たことも聞いたこともありません。
「どうぞ。」
返ってきた声は想像していた白髪のおじさまの声にしては若々しいみたいですが。
拓海はさっさと室内に入ってしまったので、私はあわてて後に続きました。うぅ、もう少し心の準備をしたかったのですが…。
「先日安斎から連絡した諏訪を連れて来ました。よろしく。」
あっさりとそれだけ言うと拓海はすっと私の横に移動しました。今まで私の視界を覆っていた拓海の背中が消え、代わりに目に飛び込んで来たのは…。
「あれ…?社長さん?」

