「……え?」
拓海が何に対して感情を昂らせているのかわからず、何も反応ができませんでした。
「今日珍しく美羽がレッスンをキャンセルしたから、安斎から何かあったのかって連絡がきたんだ。」
ゆっくり一つ大きく息を吸い込むと拓海は種明かしをしてくれました。
なるほど…。ご心配おかけしました。
「佐渡と決闘するつもりだったんだろ?」
全部聞いてたんですね。自分の勘違いが恥ずかしくてプイッとそっぽを向きました。が所詮は拓海の腕の中です。顎を掴まれて無理矢理視線を合わされジッと目を覗き込まれて、私は観念して目を瞑ってため息をつきました。
「…そうです。」

