平和的に佐渡さんとの話し合いが終わり、次回の撮影を教えることを約束して笑顔で見送った後、久しぶりにゆっくり本を探そうと書棚を歩き回っていたら…
「…あ……れ?」
窓際一番奥の席にいるはずのない人を見つけてしまいました。
窓から差し込む夕方の穏やかな日差しを浴びて、気持ち良さそうに微睡んでいたのは…拓海でした。
今日は撮影があったはずなのにとか、私が佐渡さんにここに呼び出されたことを知らないはずなのにとかいろいろなことが頭に浮かびましたが、あまりに気持ち良さそうな寝顔に全てが彼方へと吹き飛び、そうっと足音を忍ばせて近づきました。

