バン!
図書室の扉を閉め、ザッと見回し室内に他人気がないことを確認してからガバッと振り返った佐渡さんの目は、やっぱり血走っていて涙が滲んできました。
「佐渡さん、やっぱり私決闘はお受けできない…」
言いかけた私を遮って、
「これ、美羽でしょ!違う?違わないよね!」
目の前に突きつけられたのは、佐渡さん愛読のJ-pureと書かれた表紙でした。見たことのない写真が表紙ですから、最新号ですね。
でも、これって?
「…???いえ、この人は別人でしょう。どう見ても…。」
表紙を飾っているのは、ハーフのように色白で明るい瞳と髪色の有名なモデルの娘でした。確かリラさんだったでしょうか?この雑誌の専属モデルだと佐渡さん自身に教わりましたよね?
「あぁ、違う!もう、これじゃなくて!えっと…これ!こっちの!」
あの佐渡さんがいつもかわいいと尊敬しているリラさんを「こっち」呼ばわりしたことにびっくりしていましたが、差し出されたページを見て全身が硬直してしまいました。

