「さ、佐渡さん?気のせいか、あの、お顔が怖いですよ?」
佐渡さんの表情は目がギラギラして顔が強張り心なしか鼻もふくらんでいて、はっきり言ってかなり腰が引けます。
私このまま佐渡さんについていって無事に帰ってこれるんでしょうか?誰もが首をかしげると思うんですけど…。
「え、えっと…あの……お、落ち着いて下さい。わ、私ですか?何か、あの…?」
迫力におされて立ち上がることも出来ず、座ったままわたわたと手を振り回す私をジッと睨み付け
「…絶対そうだ。間違いない。」
低く呟く声を聞いて、
「…ひっ!」
ますます訳がわからず、涙目になって固まってしまいました。
ガシッと右腕を掴まれグググッと力が込められると、気分はもう蛇に睨まれた蛙どころかヤマタノオロチににらまれた雨蛙ですが…。

