「見せたかっただけなんだよ…」 出逢ったあの日に花火玉を知っていた彼女を見て、魔法で打ちあがった花火がきれいだと言ったのを聞いて、感じたんだ。 きっと、アスカなら。 だからここ数日、今まで以上に制作に力を入れた。 いつも失敗ばかりだけれど、今回こそは。 結局、まだ成功してはいないけれど。 「ごめんな」 今日はゆっくり休んでくれ。 俺も、今日は花火は作らない。 心の中でつぶやいて、イズナはゆっくりとベッドから立ちあがった。