忘却の勇者


そんな人いるわけない。


頭を抱える二人。ミウも考えを巡らしていると、ポツリと独り言のように呟いた。


「四聖官様にお話を聞くのは駄目ですか?」


「「四聖官?」」


二人の声がハモった。


「たくさんの魔物と戦ったことがある賢者様たちなら、なにか知っているかも知れません。魔王といっても魔物に変わりはないですし、共通した弱点があってもおかしくないかと」


目から鱗。


魔王との戦闘経験がなくとも、魔物との戦闘経験なら四聖官に勝るものは存在しない。


それに四聖官たちなら魔王の居場所を探知することも出来るかもしれないし、もしかしたら全面的に協力もしてくれるだろう。


ナイスアイディア! とコーズは叫びながらミウにまたも抱きついた。


いちいち絡みすぎである。このシスコンめっ。


「そうと決まれば早速王都に出発だな。明日には出発するぞオレオ!」