長い長い眠りから覚めるあの独特の気だるさを感じながら、ミウはそっと瞼を開いた。


真っ先に目に映ったのは、見知らぬ少年。


幼さが残る可愛らしい容姿に一瞬性別が分からなかった。


それよりも、なぜ見知らぬ人が家にいるのだろう?


まだ覚醒しきれていない頭で考えるが、もやもやするだけど何も導き出せない。


少年、オレオは「おはよう」と目覚めの挨拶をしてきたので、ミウも反射的に「おはよう」と返す。


どうやら夢魔の影響はなさそうだ。


ほっと胸を撫で下ろすと、オレオは今までの経緯を分かりやすく事細かに説明した。


ミウが夢魔の精神支配の魔法にかかっていたこと。


魂を徐々に食われ、かなり危険な状態であったこと。


兄のコーズが戦い、ミウと同じ魔法にかかってしまったこと。


俄かに信じられないことだが、ミウは黙ってオレオの説明に耳を傾けていた。