「お前は人と魔族の争いを終結させた。人と人の争いは、俺がなんとかする」 英雄に世界は救えない。 だから俺が、手を下す――― 「オレオ、良く聞け」 初めて呼ばれた自分の名に、オレオは戸惑いを隠せない。 が、どこか柔らかい物言いに少し安堵したオレオだが、サイの言葉にすぐに表情を強張らせた。 「俺は、この世界を破壊する」