忘却の勇者


「どこに行くつもりだ」


扉の向こうに待ち構えていたのは、銃を構えたケイであった。


まさかの展開に二人は狼狽する。


こちらの行動は全て筒抜けであったのだ。言い逃れなど出来はしない。


「勇者の一族が女装とは、なかなか珍妙な策に出たな」


「ち、違うし! この子はオレ子ちゃんで……オレの彼女だから!」


この期に及んでまだ粘るか。


自分のために色々と尽力してくれているエクターには悪いが、若干オレオは引きぎみである。


ケイも若干呆れ顔。アホな仲間を持つと苦労する。


「では聞くが、お前には勇者の監視を任せているはずだが、その任務を放棄して彼女とデートをしているのか?」


いずれにせよ罰せられることは確定的だ。


オレオは当に覚悟を決めて、腰の黒刀に手を伸ばしている。