忘却の勇者


驚くサイ。ボールスはサイの一瞬の隙を突き、太刀を振るうと刀身に纏わせた雷を飛ばした。


電撃は一直線に襲いかかるが、サイは左手を翳すと電撃は左手に吸い込まれるように集まり、掌の上で球体のような形状になる。


電撃の球体に自身の魔力を付加させて、球体を投げ返した。


パワーアップした電撃だが、かわせば後ろで別の攻撃を防いでいるアレミラに当たってしまう。


避けるという選択肢はない。


ボールスは再び刀身に魔力を注ぐ。


すると今度は刀身に冷気が漂い、太刀を一振りすると大気の空気が瞬時に冷やされ、ボールスの前に氷の壁が形成された。


複数属性の魔法剣術。彼の強さはスピードではなく、寧ろ技のレパートリーにある。


電撃と氷壁がぶつかる。


電撃の塊は弾け、轟音と閃光が迸った。


閃光が目に痛い。反射的に目を瞑るボールスとサイ。