忘却の勇者


彼らが四聖官と同等の力を持つという、鉄血の十三騎士のトップスリーだと。


「アグロヴァル、アレミラ、ボールス。飛行艇の本来の目的は、君達の輸送か」


「ご名答。ガレスの結界を見破るとは、歴代四聖官最強の名は伊達じゃないな」


大剣の男、アグロヴァルがそう告げる。


飛行艇は撃墜されたが、輸送作戦は成功。


作戦は第二段階へ移行する。


「俺は鉄血の十三騎士NO.Ⅰアグロヴァル。四聖官サイ賢者に警告する。ただちに降伏し、魔王を引き渡せ。さもなくば―――」


アグロの視界が反転する。


黒く染まった視界の正体は、ボールスの背中だった。


白銀の剣と白刃の刀が交わり、二人の間に火花が散る。


ボールスは刀に力を込め振り払うと、サイの剣は弾かれ後方へ一旦引いた。


「言っただろ! 交渉の余地はないと!」