アモール帝国の最新兵器。空飛ぶ船、飛行艇。
特殊な結界によって姿を隠していたが、ケイの瞳を誤魔化すことは出来ない。
船底から貫いた光の柱によって、飛行艇は煙と炎に包まれながら徐々に降下していく。
あんなものが秘密裏に侵入していたら、王都は大変なことになっていただろう。
それほど敵も、本気だということだ。
上空で爆発した飛行艇は、周囲に金属片をまき散らす。
その破片に混じり、三つの影が地上に舞い降りた。
自分の背丈よりも長い大剣を背中に携えた青年と、腰に付けた鞘から白刃の刀を引きぬく青年。
そして冷徹な視線を送る、武器を持たぬ美麗な女性。
サイを囲むように着地した三人は、ゆっくりと身体を起こし武器を構える。
ただならぬ気迫と存在感。
彼らの姿は初めて目にしたが、サイは察した。


