北のマルノンディー海岸。


十二年前、魔王軍のネシオル侵略の際に、ここマルノンディー海外に多数の魔物達が海を越えて集結した。


その数五万。


ネシオル王国最大の危機と言われたこの事件を解決したのは、当時十二歳で聖者の称号を持っていたサイであった。


たった一人で五万もの魔物達と対峙したサイ。


たった一時間弱で魔王軍を壊滅させた少年の活躍は、瞬く間に国中に広まり、今でも『マルノンディーの決戦』という伝説として語り継がれている。


この戦いを期に、魔王軍の劣勢が始まって行った。


まさに人類と魔族の天下分け目の決戦だったのだ。


この戦いが評価され、サイは賢者の称号を授与。


その後勇退した(とされている)アモスの後継にサイが指名され、四聖官となった。


サイにとって思い出深い土地。