「そうか、あの少年が亡くなったか」


老人の呟きに、レインは伏し目がちに唇を噛みしめる。


あの時ちゃんと生死を確認していれば……。


後悔と罪悪感が胸の中で芽生え、小さな胸をチクチクと痛めつける。


無論コーズに対するものではなく、勇者であるオレオに悲しい思いをさせたことに対するものである。


内心「コーズざまぁあああ!」と思っているかもしれないが、コーズの死を暗い顔で話すオレオの前では流石に口には出さなかった。


空気が読める子供である。


「それでアモス様、お話したいことがあります」


本題を切りだそうとしたが、アモスがすっと右手を前に翳して二の句を遮った。


「儂も大事な話がある。いずれ時が満ちたときに君達を連れ戻そうと考えていたが丁度良い」


パンッと両手を合わせると、オレオとマリの足元に魔方陣が浮かび上がる。